その他のルール
仕事を無理なく、効率的に続けるためのルール
勤務時間中の休憩は、午前に1回、お昼休み、午後に1回と、時間を決めてとっています。
精神障がいのある人の中には、過度に集中してしまう特性を持つ人がいます。
時間を決めて休憩を取ることで、過集中による疲労を防いでいます。
30分考えてもわからない場合、必ず他の人に質問するという「30分ルール」があります。
聞かれた人は必ず答えるというルールもセットです。
報告・連絡・相談を苦手とする特性を持つ人も、質問のタイミングがつかめる仕組みです。
仕事や体調の見える化
精神障がいのある社員の体調管理については、毎日の状況を振り返るデータとして利用可能なシステム開発を行い、そこで自身の体調を可視化する工夫のほか、部署内で週1回、代表とは月1回の「振り返り」を実施し、体調や作業の進め方などについて話し合い、改善を図るようにしています。
身体障がいとは異なり、精神障がいの場合は実際の体調や必要な配慮などが外からわかりにくいことがあります。
そのため、周囲もどのようにサポートしてよいのか戸惑うばかりか、「元気そうだったのになぜ急に休むのだろう」といった不満が溜まることもありました。
この課題を解決するために、自らの症状や状態を話し合う機会として「障がいプレゼン」を開催しています。
代表や他の社員から発言を強要することはなく、プレゼンを行う社員自ら、自分の障がい特性や病歴、必要な配慮など進んで発表し、社員同士でざっくばらんに質疑応答を行います。こうすることで相互の理解が深まると同時に、普段よくサポートしている特定の社員以外でも適切な配慮や支援を行うことが可能となります。
これは新しく社員が入社する度に行い、社員全員が同僚の障がいについて理解する大切な機会になっています。
毎日終業時には自社システム上で日報を作成します。
日報では、作業内容や進捗状況の他に、体調やコメントの書き込みを共有する仕組みがあります。
日報は上長がすべて目を通し、コメントを返すことで、社員一人ひとりの状況を細かく把握することを可能にしています。
苦手なことはやらない、できることはきちんと評価する
奥進システムで採用される多くは、システム会社で即戦力として活躍できるスキルや経験を有した人材ですが、それでもプロジェクトの内容や顧客の要望に対して、常に新しい技術を習得していく必要があります。
個々人の技術レベルや得手不得手に応じた業務の分担を行い、スケジュール通りに作業を進めていくために、マネジメントの役割も重要です。
リーダーはメンバー個人の特性を把握した上で仕事を割り振るほか、作業指示にあたっては内容や期限を明確にしたり、指示命令系統を一本化するなどの工夫をしています。
また、「苦手なことはやらせない」という考えのもと、障がい特性による不得手な作業(電話対応など)がある場合には、その人でなく別の人が代わることをルールとしています。
評価は、年に1回、部署内360度評価を実施しており、所属する部署内で全員が互いに評価し合う仕組みにしています。
評価のポイントや基準は全社共通ですが、リーダーの持ち点の比重を高く設定し、マネジメントの意向に沿った評価結果となるように工夫しています。
この評価を行うにあたっては、毎年事前に勉強会を開催し、モデルケースに対してどのような評価を行うのが妥当かを探る“練習”を行っています。
この“練習”で評価の観点を擦り合わせるプロセスがなければ、評価基準にブレが生じ公正な評価結果とならないことから、時間をかけて事前準備をした上で評価を実施しています。